プリント 印刷する

クリエイター:日高麻由美/ラッピングアーティスト

025_interview00.jpg

日高麻由美/ラッピングアーティスト

「くらしの中にラッピングが当たり前のようにあってほしい」
お店だけでなく、たとえばケーキやクッキー、お菓子など手づくりの贈りものにも、ラッピングまで気遣いをすることに、高い価値をおく、そんな世の中になるように。

作品世界のキーワード

日々の暮らしに美しいラッピング。

自己紹介

美しいものを作ることが好きな私が出会ったラッピング。
贈り物をする時、相手のことを想いながら身近な材料を
使って包んでみて下さい。世界に一つのマイスタイルの贈り物は、
気持がまっすぐ相手の方に伝わってとても喜んでもらえますよ。

ラッピングを通して皆様の暮らしに美しいエッセンスを
ふりそそぐことができれば・・・私にとってこの上ない喜びです。

ブログ http://bluebellss.cocolog-nifty.com/blog/

経歴

OLを経て日本ディスプレイスクールにて店舗ディスプレイを学ぶ。
卒業後ライフスタイリストでラッピングの第一人者渡辺千寿子氏に師事。
ラッピングを中心に販売促進に携わる。1991年フリーとなり、
商工会議所や企業にてラッピング講師として活動。
今日までの講習会は全国300カ所を越え、現在は暮らしに
寄りそう美しいラッピングを広めるためブログなどで
アイディアラッピングも紹介。

クリエイター x ウッテリエ インタビュー

くらしに広がるラッピングの魅力

ここには、贈る物とラッピングの自然なハーモニーがある。

シンプルで上質なラッピングペーパーが、シャシャッと音を立てて、ギフトのシルエットを引き締めてゆく。ロープやリボンやラフィアが、キュッキュッと音を立てて、ギフトを贈る人の想いを封印してゆく。貝殻や海星(ひとで)のデコレーションが、「せっかちにならないで」と、ギフトを紐解きたい欲望をたしなめる。 025_interview01.jpg

このギフトラッピングは、まるで海の向こうからやってくる「贈る人から贈られる人へのメッセージ」のようにも感じる。

ワインボトルは、海から揚がった“メッセージボトル”。
箱のひだは、波が寄せては引いてのこされた、砂浜のモヨウ。 
貝殻に耳を寄せると、遠い海の音が贈る人の声に重なり、
砂浜の上には、贈る人の手書きのメッセージがある。

こんな素晴らしいラッピングストーリーを奏でるのは、ラッピングアーティストの日高麻由美さん。全国を飛び回り、ラッピングの素晴らしさと感動をたくさんの人に伝えてきた。

【外面も内面も美しいラッピング】

「開けたときもきれい!と言ってくださるラッピングを創りたいんです」。

025_interview02.jpg ラッピングの素人にありがちなのが、たくさんセロテープを使ってしまうこと。外見はうまく仕上がっても、内側はセロテープ留めだらけでは興ざめ。シンプルに美しく包むことができれば、外側だけでなく内側も美しくなるんですよと日高さんは語る。内面から美しい人がほんとうの美人と言うけれど、ラッピングも人も同じなのである。

四角いボックスのポケットに筆記具というアイデアもいいけれど、“丸いもの”のラッピングのヒダがお洒落。ワインやジャムのボトルのなで肩やふくらみを活かしつつ、きちんと包んで保護もしっかりしている。あまりに美しいので、そのままにしておきたい。

【フツーのOLからラッピングスタイリストへの転身】

ラッピングへの転身は表現したいという欲求から。フツーの会社のフツーのOLだった日高さんはある日、表現できることをしたいと思い立ち、会社を辞め日本ディスプレイスクールに通い出した。店舗のディスプレイを学び、卒業後にライフスタイリストでラッピングの第一人者の渡辺千寿子氏に師事。時代は1990年のバブルエコノミー前夜。大不況の今どきよりも、ずっと気軽にギフトを贈りあっていた時代。

「週の半分以上、講演会で出張したことも珍しくありませんでした」

025_interview03.jpg ラッピングはまさにブームを迎えていた。商業会社や店舗がこぞってマーケティングや販売促進に目を向け、ラッピングや店舗ディスプレイがいかに商売にとって必要か、認識を深めていた。キリンビール、資生堂など大企業や、各地の商工会議所に招かれて、ラッピング講師や店舗ディスプレイの実施や指導を行った。

【全国制覇の実力】

講演・実演指導では、大きな会議室や講堂で、テーブルを寄せて、マイクを片手に講義をし、自らラッピングを見せて指導にあたる。商工会議所主催のイベントでは、商店の方々が実技だけでなく、ラッピングセンスを磨きに大挙してやってきた。大型商業施設では、講義だけでなく“実技サービス”もやった。伊勢丹でのクリスマスギフト・ラッピングサービスでは売場に包装サンプルをディスプレイし、それに引きつけられたお客さまが、ラッピングサービスの注文に押し寄せた。師走までの1ヶ月、出ずっぱりでラッピングをしたことも。

「営業ができない人なんです」

025_interview04.jpg 自ら営業活動をしたことはほとんどない。ところが口コミが口コミを誘って全国から依頼が来る。先頃ついに、講演とサービスで、全47都道府県を制覇した。それはきっとラッピングの特徴そのまま、彼女自身が飾り気がなく美しいからである。

【優れたラッピングにはお客さま増加サイクルがある】

「ラッピングがいいとお店が流行るんです」と日高さん。

それはこうだ。ラッピングがいいとお客さまが満足する。店員にもそれが伝わり、仕事にやる気が出てくる。やる気が出てくると仕事上手になる。ディスプレイ表現も、棚のフェイスづくりも上手くなる。それがお客さまに伝わり、リピーターとなり、新規のお客さまも増える。

良いラッピングには、お客さま増加サイクルがある。だからこそラッピングを、最低限必要なことから“お店の戦力”に格上げしてもらいたいと考える。

【ラッピングが当たり前のくらしへ】

025_interview05.jpg だからラッピングだけが独立して存在することないと日高さんは思う。商品の個性、お店やブランドのイメージに合ったラッピングがあるはずだ。たとえば、和食店なら水引や和紙を用いて、和の心で統一感をもたせるなど、店内装飾やウィンドウディスプレイと一体に創造したい。
それに創作ラッピングがいくら美しくても、過剰包装はNGである。エコ意識が高いクライアントも多く、手早く、きれいだけでなく、低コストで高付加価値のラッピングが求められる。今も昔も変わらないニーズだという。

夢は何ですか?とうかがうと-

025_interview06.jpg 「くらしの中にラッピングが当たり前のようにあってほしい」

お店だけでなく、たとえばケーキやクッキー、お菓子など手づくりの贈りものにも、ラッピングまで気遣いをすることに、高い価値をおく、そんな世の中になるように。もらってよかったと思う贈りものは、中身だけではない。ラッピングに包みこんだ、贈る人の感性が素晴らしいから。

025_interview07.jpg

(uttelier go 2009.07.27 2200文字)

 

ラッピング作品事例

ウッテリエからラッピング作品にことばを添えさせていただきます。

025_jirei01.jpg 上品でナチュラルな色合いのボックスを、カラーラフィアで結わき、トップにレースペーパーを置いて“特別な品”というアクセントをつけました。

025_interview07.jpg このラッピングアイデアは“海の音に耳を傾けませんか”です。ナチュラルなラッピングペーパーを、“船のロープ”をイメージさせる紐でゆわき、磯の香りを漂わせるアクセントがいいですね。

025_interview07.jpg これはそのうちのスクエアな箱のラッピング。筆記具を挿せる折り方も見事ですし、“メッセージ・ボトル”をイメージできるのがいいですね。ギフトコミュニケーションを筆記具という小品での表現が素晴らしい。

025_interview07.jpg 丸い容器の包み方のお手本のようなラッピング。折りの寄せ方がどこか海を連想させるのは、船のキャビンで船長が叫んで握る「面舵いっぱい!」からでしょうか。海の音が聞こえてきそうな貝殻も素敵です。

025_interview07.jpg こんなワインの包みをもらえたら、開ける前にうきうきしてしまいますね。「ほら、深海から引き上げたんですよ」なんてセリフもキザには聞こえないかも。

025_interview07.jpg うれしいお誕生日プレゼント。手作りのお菓子に創作のラッピング。贈る人の愛情も、贈られる人の笑顔も、いっぱい広がりそうです。

025_interview07.jpg ラッピングの応用編、でしょうか。レースペーパー一枚のアクセントでパーティの場がとてもクリエイティブになります。

3つの質問

クリエイターになるための最大の投資は?
日々自分を磨くこと、学ぶことです。
いつも美しいと感じる何かを探していること。
作品制作でこだわっていることは?
シンプルで美しいこと。
スランプになったときはどうする?
とにかく外へ出ていろいろなモノ・コトに触れます

クリエイターにリクエストする

関連項目