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クリエイター:佐河太心 掛軸師 渋谷の掛け軸屋店主

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佐河太心 掛軸師 渋谷の掛け軸屋店主
Taishih Sagawa/ Kakejikushi, Hangingscroll Master

「教室ではまずこう言うんです。“掛けたい場所を決めてください”。


作品世界のキーワード

正新道  正しい掛け軸の伝承と新しい掛け軸の創造

自己紹介

特に手先が器用とか、和の文化に興味があったわけではなく
単純に実家が表具店ということで表装の世界に入りました。

入ってみると、1000年以上の歴史がある技術ですので当然ながら奥が深く
表装の世界にどんどん魅了されていきました。
そこで、この魅力ある表装をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思い
表装技術の中のひとつ「掛け軸」をテーマに、掛軸師として活動を始めました。
新しいインテリア空間の一つのアイテムとして、その人だけのオリジナル掛軸をメインに作っています

※表装とは 刷毛と糊を使用して和紙や布など様々なものを貼り付けて装飾していく技術です。
掛軸・襖・屏風・巻物・クロス貼り・パネル貼りetc

H   P http://kakejikuya.ocnk.net/
ブログ http://ameblo.jp/oyajikozou/

経歴

1980年初めて刷毛を持つ(もちろん持っただけですが・・・)
2003年ROO工房設立:掛軸師として活動
2004年東京表具高等職業訓練校入学:さらなる技術の習得
2006年ROO工房を業務拡大により「渋谷の掛け軸屋」に改名
2006年表具技能士資格取得:国家認定資格
東京表具経師内装文化協会会員(法人登録):表装教室講師

作品事例

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クリエイター x ウッテリエ インタビュー

掛け軸“一家に一幅”の時代をめざして

 

この朱と白の掛け軸を観てほしい。

20_interview08.jpg 『光』をモチーフとしたアート書道画。デザイン書道家平田美記の書の表現。文字だけれども、文字じゃないアートな魅力が持ち味だ。その魅力を伝えるのは“文字だけ”ではない。作品を縁取る“掛け軸”に注目したい。その朱と白の鮮やかなコントラスト、まるで一対のオブジェのようにも見える。

多くの人が掛け軸と聞くだけで古くさいと思ってしまう。だがここにはそれがまるでない。朱と白の裂地(きれじ)の美しさ、精妙なバランス。キレの良さ、鮮やかさ。掛け軸も作品と共に、表現を協奏しあっている。これは“独立した作品”でありアートである。

【主従の関係】

20_interview02.jpg この掛け軸の創作者は佐河太心(さがわ たいしん)さん。表具技能士の国家資格を持つ掛け軸師だが、“渋谷の掛け軸屋”という店名で掛け軸店も運営し、ウエブサイトやブログはもちろん、くらしの中に掛け軸を広めるために講師活動も精力的に行う。伝統を追うばかりの掛け軸師ではない。そんな掛け軸師がいるのが新鮮である。

「よく主従関係っていいますよね。主は書であり、掛け軸は従なんです」

掛け軸は作品を引き立てるもの、絵画での“額”に等しい。だからなのか、書の創作者は作品と名前が一体であるのに、作品の“装”を受け持つ掛け軸師は、どんなに高い技を持つ者が作っても、単なる掛け軸師である。その名前が表に出ることはない。1000年もの歴史がある掛け軸という伝統があるのに、なぜなのだろうか?

【作ることから掛け軸を広める】

それは掛け軸の広まりの歴史、使われ方の変遷の歴史が影響している。

遠く鎌倉時代、掛け軸は禅宗の広まりから仏画を装うものとして普及し、文字通り“拝む”という目的で制作されるようになった。この流れは仏典や経典をしたためた巻物という形状となり、読経という道具、また装飾品や文書保管として受け継がれてきた。もうひとつは水墨画を装うためのものとして広まった。花鳥風月のモチーフを描いた水墨画を、さらに美しく見せる“額”としてのものである。これが今日の日本画や書を掛け軸で装う流れにつながる。江戸時代以降、床の間が一般家屋にも普及し、掛け軸の価値は空間芸術を担う存在になった。

つまり主は、経典であり画であり書であり、床の間という空間であった。従としてそれらを装うのが掛け軸であった。それが佐河さんの言う主従関係だ。しかも、現代日本では床の間が家から消えて、掛け軸の存在自体さえ薄れつつある。

20_interview03.jpg だが従と言い切るには、あまりに精妙な技や創造がそこにある。裏打ち、糊付け、裁断。佐河さんにその技の一端を見せていただいた。ほぉ!っとため息をついた潔い技。裏打ち、張り付け、そして乾燥。“掛け軸は作る方が楽しい”、これが佐河さんのモットーである。掛け軸の知識だけでなく、作ることからも掛け軸を広めていきたい。

現に渋谷の掛け軸屋の表装教室には、遠くユタ州からアメリカ人も学びに訪れる。在日フランス人も通ってくる。日本の伝統の技の深さを学びたいのだ。だが英語もフランス語も大丈夫なのだろうか?

「そこはジェスチャで何とかしています」(笑)

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掛け軸制作はしっかり乾燥させることが、よれたり丸まったりしない掛け軸制作のコツ。理想的には“春夏秋冬”で乾燥させる。高温多湿の国、四季をくぐらせると経年変化がない。乾燥しているユタ州では保存が大変だという話もあった。

【掛け軸をヌーヴォアートに】
「教室ではまずこう言うんです。“掛けたい場所を決めてください”」

 

20_interview05.jpg 佐河さんは“このくらい”と両手を半分くらい広げて、モダンアートとしての掛け軸サイズを示した。玄関でも廊下でも居間でも、クローゼットやトイレでも飾れるサイズ。裏打ちする作品も、高名な日本画家や書家でなくていい。自分が書いた書や子どもの入賞作でもいい。

これは結婚式の写真と命名書をセットにした試作品。これは楽しい。utteの書家さんたちと、命名書でコラボレーションもしましょう。ウケると思います。

いや書だけではない。佐河さんは写真家とのコラボレーションで、すべての作品写真を掛け軸で展示する個展にも協力した。イラストレーターの作品を掛け軸にもするし、スノーボードショップのロゴを掛け軸にもする。掛け軸の境界線をどんどん広げようとしている。

「伝統と和の心は受け継いで、そこに新しいものを入れていきたいんです」

屏風専門の会社として創業して72年、掛け軸と壁装の表装部門を独立させてからほぼ四半世紀。佐河さんは三代目である。掛け軸屋からしか跡継ぎは生まれないのもよくないという。よその世界の人が掛け軸をやりたいと入ってきてほしいと。

【一家に一幅】

20_interview06.jpg ところで掛け軸師はみんな雅号(佐河太心)を持つものですか?と訊いてみた。すると清水家(佐河さんの本名)だけのことだという。では雅号の言われは何なのですか?
「最初は“佐川大心”だったんです」
「佐川って、あの宅配便の?」
「そうです。どんな名前にしようかと考えていたら、ちょうどそこに佐川急便さんが来て、それで決めちゃったんですよね」(爆笑)

大心は“大きなココロ”。川が河になり、大が太になったのは画数合わせと笑う。掛け軸屋のイメージをすっかり裏切る人です。

彼の夢は“オーダーメイドの掛け軸屋専門ショップ”。裂、軸棒、紐、カンなどパーツを選んでシステムとして受注ができる。“一家に一幅”、掛け軸が主役となる時代を創りたい。

(uttelier go 2009.06.03 2200文字)

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3つの質問

クリエイターになるための最大の投資は?
感受性upの為の遊び代
作品制作でこだわっていることは?
こだわらないことにこだわっているかもしれません。
スランプになったときはどうする?
寝ます。

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