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クリエイター:福澤貴之/デザイナー・アーティスト

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福澤貴之/デザイナー・アーティスト

今日もスケッチブックを携えて、心の中の神田界隈を歩き、屋上に上り詰めている。空いっぱいに広がる夢をデザインする。そこに躍動する馬が跳び跳ねているかもしれない。

作品世界のキーワード

ユーモア+アート

自己紹介

見た目はオトナ 心はコドモ

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経歴

1984 東京・神田に生まれる 
2003 東京都立工芸高等学校卒業
2004 全日本学生美術展 推奨
2006 銀座スペースデザインコンペティション 資生堂賞
2007 日本大学芸術学部卒業
2009 LavaLabo 第一回展示会開催
×KISAI ~箱人間ウォッチング~開催
2010 詩とファンタジー イラストコンテスト 宇野亜喜良選

クリエイター x ウッテリエ インタビュー

子どものユーモアあふれる発想をアートへ、デザインへ広げる

都会の一角、神田佐久間町のビルの屋上。見上げれば青い空に、入道雲が広がる。“自分の一番好きな場所だ”そう彼はつぶやく。

都会ほど空をたいせつにしないところはない。にょきにょきとビルを林立させて、空も雲も隠してしまう。道路から見上げる空は、まるでステンドグラスのように多角形に切り取られる。雲も裾しか見えない。

「個人的には建物に切り取られた幾何学的、人工的な空も好きです」そう彼は語る。なにしろ屋上に上がれば、空はほんらいの広さをとりもどし、雲ものびのびと泳いでいる。

c033_interview-02.jpg 一番好きな場所は屋上、それも少年時代まで過ごした神田界隈だと語るデザイナーの福澤貴之さん。近作は工事中の東京スカイツリーなどさまざまなものにぶらさがる女の子を描いた『ぶらさがーる』というシリーズ作品。都会の高層建築物に遮られた空を、ひとりじめにできるところにぶらさがろう。心の底では、誰もが実は高見にぶら下がりたいものなのだ。

「誰だって人前では公衆道徳に縛られて自分の行動を制限してしまうでしょ。歩きながら大声で歌った、飛んだり跳ねたり・・・子どもは自由に表現するのに大人は躊躇してしまう。ほんとうは自由になりたはずなのに」と福澤さんは語る。

その想いを“ぶらさがる”という行為に託したのだ。

高いところからぶらさがるのは危険だし、現実には腕も疲れて長時間はできない。でもぶらさがれば風景はちがってみえる。自分の絵を観る人に自由な想像を感じてもらいたいと言う。

【競走馬の美に触れる】
幼少のころからずっと空想画を描いていた。5歳くらいのときには恐竜。図鑑を観ながら、大地を揺るがし、地表を我がものにする恐竜たちが好きだった。思えば自分にはできないことを描くことが、小さいころから好きだったのだ。小学校でも、中学でも絵画好きはとまらない。ひとつ変化があった。幼少の頃の太古の4つ足動物は競走馬に変わったのだ。

c033_interview-04.jpg 競走馬のどこが好きなんですか?」
「走っている姿がたまらなく好きです」

次第に走る馬の姿を描くようになった。同時に競走馬という血統スポーツへの興味がもたげた。“もっとも好きな馬は?”と訊くと答えは即座にかえってきた。

「“サイレンススズカ”ですね。忘れもしません、1998年11月1日のことを」

名ジョッキー武豊にして「理想のサラブレッド」「本当にこんな馬がいるんだ」と言わしめた馬。躍動する栗色の馬体、大逃げの脚はどんな馬も追いつけないと言われた天才馬。それがサイレンススズカだった。史上最強の馬の躍動は、98年 秋の天皇賞、第3コーナーを回ったところで終わった。

c033_interview-03.jpg 人間でいえば手首のところですね」と藤井さんは語る。

後続の馬を10馬身離していたサイレンススズカは、そこで“粉砕骨折”により突如競争を停止した。場内を静けさが支配したという。当時14歳、中学2年生の頃。当日安楽死処分がとられた名馬のためにも、“馬の世界にいきたい!牧童になりたい”と強く思った。

【デザインとアートの融合をめざして】

だがまだ中学生。馬以外の世界を観てからでも遅くないと担任の先生や親にほだされ、都立工芸高校のインテリア科に進んだ。躍動する動物の絵を描きながら、北海道の牧場で短期間働いたこともあった。インテリアを専攻し、デザイン・家具製作・空間デザインを学ぶうちに、次第に惹かれるものが見えてきた。

c033_interview-07.jpg 「牧童は自分でなくても誰かやってくれる。自分は平面に何かを表現するのが好きだ、と気づきました」

図面やパース、インテリア設計、それらのプレゼンテーション。グラフィックデザインや色彩への興味が高まり、大学では芸術学部に進んだ。自由に絵を描いていた自分という存在も捨てきれず、絵画コースを専攻。自分はアート系なのか、デザイン系なのか?考えながら陸上競技に没頭する大学生活。

「誰かの役に立つものづくりがデザイン。人の役に立たない(立つことを意識しない)ものづくりがアート。デザインは課題を与えられて制約の中でやり、アートは自由な創造をするもの。どちらにゆくべきか考えました」

だから大学時代は浮世絵やアールヌーヴォの作風を活かした作品や、アクリルと和紙を使った多重な表現作品などアートワークを手がけつつ、デザインワークの集大成とし“回転するブックシェルフ『The Beating Books』”を制作。自分の可能性をストレッチしようとした。

c033_interview-06.jpg そして今、グラフィックデザインの仕事をこなしつつ、日常の身近な夢を広げる“デザイン・アート”を創造する。ある美容店でのインスタレーション展示は『箱人間』。身近な箱には“何かが入っている”子どもならみんなそんな謎かけにわくわくして、恐る恐る箱に触れ、のぞき込む。

「子どもにしか見えない、身近なところにある空間世界を表現したかったんです」

箱という閉じられた空間に広がる夢は、理屈では言い表せない深みとおもしろさを表現した。遊びのあるアート発想を絵本やアパレル、そしてフィギュアやインテリア雑貨などのプロダクトへ展開してゆきたい。

福澤さんは“アートとデザインを融合”するために、今日もスケッチブックを携えて、心の中の神田界隈を歩き、屋上に上り詰めている。空いっぱいに広がる夢をデザインする。そこに躍動する馬が跳び跳ねているかもしれない。

(uttelier go 2010.08 2000文字)

 

このクリエイターの出品作品

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 【THE スカイツリー 408】  【THE 麒麟】  【THE 消火栓】
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 【THE マッチョ】  【THE 鴨川デルタ】  【THE 金閣寺】

3つの質問

クリエイターになるための最大の投資は?
・・・・
作品制作でこだわっていることは?
観る人にとって、面白いと思える要素、笑える要素があるか。
スランプになったときはどうする?
何とかなるからむつかしいことは考えない。

福澤貴之はデザイナー・アーティストとして、自らの作品のプロダクト化にも精力を注いでいます。
ぶらさがーるやあそぼーい、また箱人間(未公開)が、ノベルティやデザインアイテムにマッチしそうだと思ったら、ぜひごutteまで連絡ください。

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